今回は、1998年アメリカで製品化されたＭＴＡセメントについてです。

ＭＴＡセメントは、土木建築用セメントを医療用に改変した水硬性のセメントで、歯髄の保存療法に使用されているセメントです。

ＭＴＡセメントは、骨芽細胞の増殖やアパタイトの形成による骨の再生、象牙細管の閉鎖による細菌の侵入防止や再石灰化など、歯や骨の再生に優れています。

以前までなら、神経を除去しなければいけないような虫歯の場合でも、ＭＴＡセメントを使用すれば、神経の除去を防げることが増えてきました。また、歯の根っこが膿んで骨が吸収している場合は、ＭＴＡセメントを用いることで、吸収した骨が再生してくることが増えてきました。

もり歯科では、骨や歯の再生に最も優れているＭＴＡセメントを積極的に使用して、歯の保存に努めています。歯の神経を除去すれば、歯の寿命は格段に短くなります。また、根っこの先がうんでいる歯は、多くの場合、抜歯になってしまいます。

顎顔面インプラント学会専門医として、インプラント治療をたくさん行ってきた者としては、ご自身の歯が一番であり、唯一無二の存在です。

インプラントは、ご自身の歯には絶対に勝てません。そのために、まずは虫歯予防、早期治療による歯と神経の保存が最も重要です。

もり歯科では、歯を残す最後の砦として、ＭＴＡセメントを推奨しています。

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